「こちらこそありがとう」はビジネスで何て言う?4つのシーンの例文と言い換え表現
「こちらこそありがとう」をビジネスで伝える場合、敬語表現に悩みますよね。
相手が上司や取引先の場合、そのまま使うと少しカジュアルすぎる印象を与えてしまいます。
感謝を丁寧に返したいのに、言葉選びを間違えると信頼を損ねることにもつながりかねません。
本記事では「こちらこそありがとう」をビジネスで自然かつ丁寧に使うための敬語表現・言い換え・例文を解説します。
社会人として印象を高めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
「こちらこそありがとう」をビジネスで使うときのマナー
「こちらこそありがとう」という言葉は、相手から感謝を受けた際に自分も感謝の気持ちを伝える、謙虚で丁寧な表現です。
ビジネスシーンでは「ありがとうございます」を付け加え、「こちらこそありがとうございます」とするのが自然です。
この表現には「感謝すべきなのは自分の方です」という謙譲の意味が含まれています。

社会人として信頼を得るためには、場面や相手に合わせた使い方を意識することが大切です。
相手との関係性が上下や取引先の場合、よりフォーマルにするため「こちらこそお礼申し上げます」とするのも適切です。
「こちらこそありがとう」をビジネスで使用する場面は?
「こちらこそありがとう」は、感謝を受けた直後に返すのが自然です。
たとえば、会議後や取引完了後など「お世話になりました」と言われたときに「こちらこそありがとうございます」と返すと円滑な関係を築けます。
また、謝意に対してだけでなく、「ご協力いただきありがとうございました」と言われたときにも使えます。

ポイントは相手の言葉を受けてから使うことです。
自分から先に言うと不自然になり、誤用と捉えられる場合があります。
「こちらこそありがとう」はビジネスの目上の人にも使える?
「こちらこそありがとう」は、目上の人にも使えますが、そのままではやや軽い印象になるため注意が必要です。
ビジネスでは「こちらこそありがとうございます」または「こちらこそお礼申し上げます」と丁寧に言い換えることで、敬意を失わずに感謝を伝えられます。
また、相手が役員や取引先の担当者などの場合、「いつもお力添えいただき、こちらこそ感謝しております」といった柔らかい表現にするとより適切です。
言葉選び一つで信頼関係が深まるため、相手に応じて使い分けることが重要です。
「こちらこそありがとう」をビジネスで使う場合の例文フレーズ
この章では、実際のビジネスシーンで自然に使える「こちらこそありがとう」の例文を紹介します。
会話だけでなくメールやチャットにも応用できる内容です。
場面別の使い方を押さえておくことで、どんな状況でも丁寧に感謝を伝えられるようになります。
取引先・お客様の場合
- 「このたびはご丁寧にご対応いただき、こちらこそありがとうございます。」
 - 「お力添えいただき、こちらこそ心より感謝申し上げます。」
 
どちらも相手の行動を具体的に示した上で感謝を伝える構成です。
取引先に使う場合、「ご協力」「ご尽力」「お時間をいただき」など具体的な表現を加えると、誠意がより伝わります。
感謝の対象を明確にすることで、形式的ではなく心のこもった印象を与えられます。
上司に使う場合
- 「お忙しい中ご指導いただき、こちらこそありがとうございます。」
 - 「いつもご配慮いただき、こちらこそ大変感謝しております。」
 
上司に対しては「恐縮です」「感謝しております」といった敬語を用いることで丁寧な印象を与えます。
特に目上の人へのメールでは、「こちらこそお礼申し上げます」や「厚く御礼申し上げます」など、よりフォーマルな表現を選ぶのが良いでしょう。
社内コミュニケーションで使う場合
- 「先日は助かりました!こちらこそありがとう!」
 - 「こちらこそフォローしてもらって助かりました!」
 
社内チャットや日常会話では、少しカジュアルなトーンでも問題ありません。
ただし、ビジネス文書ではなくあくまで社内限定に留めることが大切です。
仲間同士のやりとりでも「感謝の気持ちを言葉にする」ことは良好な人間関係を築く基本です。

ラフながらも礼儀を忘れない姿勢を意識しましょう。
メール・チャットの場合
- 「このたびはお手配いただき、こちらこそありがとうございました。」
 - 「お打ち合わせの機会をいただき、こちらこそ感謝申し上げます。」
 
メールでは文頭に置くとやや唐突になるため、文末で自然に添えるのがコツです。
また、「こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」と結びに使うと、丁寧かつ前向きな印象を与えます。
定型文のようでいて、相手を思いやる気持ちを込めることが重要です。
「こちらこそありがとう」の言い換え表現は?
「こちらこそありがとう」にも言い換え表現があります。
状況に応じて言葉を変えることでより適切に感謝を伝えましょう。
ここでは「こちらこそありがとう」の言い換え例や、よりフォーマルな表現を紹介します。
ビジネス文書のトーンに合わせて柔軟に使い分けてください。
より丁寧な言い換え
- 「感謝すべきなのはこちらの方です」
 - 「こちらこそお力添えいただき感謝申し上げます」
 - 「こちらこそお世話になっております」
 
これらは全て「こちらこそありがとう」と同じ意味ですが、より丁寧で自然な印象を与えます。
特に取引関係の文面では「感謝申し上げます」が使いやすく、ビジネスに適しています。
相手との関係性に応じて使い分けることが信頼構築につながります。
感謝を強調する言い換え
感謝を強調したい場合は、次のような表現もおすすめです。
- 「むしろ感謝すべきなのはこちらでございます」
 - 「お力添えを賜り、心より御礼申し上げます」
 - 「こちらこそお世話になり、感謝の念に堪えません」
 
これらはフォーマルな書面や挨拶状にも適しています。
言葉の重みを出すことで、形式を超えた誠意を表現できます。
感謝の程度に応じて表現を変えることが社会人のマナーです。
フォーマルなシーンで使える敬語表現
フォーマルなビジネスシーンでは、直接的な「ありがとう」よりも「御礼申し上げます」や「感謝申し上げます」といった表現が適切です。
たとえば、契約締結や式典などの場では「このたびは貴重なお時間を賜り、こちらこそ厚く御礼申し上げます」と使うと品格が上がります。
言葉に敬意を込めることで、組織の印象も良くなります。
「こちらこそありがとう」を使う際の注意点
どんなに便利な表現でも、使い方を誤ると印象を損ねてしまうことがあります。
ここでは、自然な使い方や避けるべき表現、場面ごとの注意点を整理します。
正しい使い方を身につけておくことで、失礼のないコミュニケーションが可能になります。
誤解を招く言葉選びをしない
「こちらこそありがとう」は、相手の言葉を受けて初めて成立する表現です。
先に感謝を述べると、相手に違和感を与える場合があります。
また、「こちらこそ、すみません」など謝罪と組み合わせると曖昧な印象になることもあるため注意が必要です。
言葉のバランスを意識し、場面に合った自然なフレーズを選びましょう。
言葉を略さない
- 「こちらこそありがとうね」:目上に対しては失礼
 - 「こちらこそ、何もしてませんけど」:謙遜しすぎで不自然
 - 「こちらこそです」だけで終える:言葉足らずで印象が悪い
 
これらの表現は、カジュアルすぎたり曖昧だったりしてビジネスには不向きです。
言葉は略さず、相手への敬意を含めて伝えるようにしましょう。
場面に適した言葉を選ぶ
社内外・目上・同僚など、相手との関係性により言葉のトーンを変えることが重要です。
| シーン | 適切な表現例 | 
|---|---|
| 上司・取引先 | こちらこそありがとうございます。 | 
| 同僚・部下 | こちらこそ助かりました。ありがとう。 | 
| メール | このたびは誠にありがとうございました。こちらこそ感謝申し上げます。 | 
このように状況に応じた使い分けを心がけることで、社会人としての印象が格段に向上します。
「こちらこそありがとう」のビジネスでの英語表現は?
ビジネスのグローバル化に伴い、英語で感謝を伝える機会も増えています。
英語でも「こちらこそありがとう」にあたる表現がいくつかあります。
意味の違いを理解して使い分けましょう。
ビジネスメールで使える英語フレーズ
- “Thank you as well.”(こちらこそありがとうございます)
 - “The pleasure is mine.”(感謝すべきなのは私の方です)
 - “I appreciate your cooperation.”(ご協力に感謝いたします)
 
メールではフォーマルな表現を選び、「Best regards」などの結びと併せて使うと好印象です。
日本語の敬語のように柔らかく伝える意識を持つとスムーズです。
会話で使う場合
会話では以下のような表現が自然です。
- “My pleasure.”(どういたしまして/こちらこそ)
 - “Likewise.”(こちらこそ)
 - “Not at all.”(とんでもありません)
 
これらは短くても丁寧で、ビジネス会話でも使えます。

英語のほうがカジュアルな表現でも伝わるので文化の違いを感じますね。
相手が感謝を述べたときにすぐ返すことで、気持ちの良いコミュニケーションが生まれます。
まとめ:「こちらこそありがとう」をビジネスで印象良く使おう
「こちらこそありがとう」は、感謝と謙譲の気持ちを同時に伝える日本語特有の美しい表現です。
ビジネスでは「こちらこそありがとうございます」「お礼申し上げます」など、相手や場面に合わせて丁寧に使い分けることが大切です。
自然な例文を参考にしながら、場面に応じた言葉選びを意識することで、より信頼されるコミュニケーションが実現します。
