【例文6選】起承転結をビジネスに活かす方法 | プレゼンや資料作成に使える構成法とは?

ビジネスの場で相手に伝わる文章や話し方をしたいとき、「起承転結」は非常に役立つ構成法です。
しかし、使い方を間違えると結論が見えにくくなり、かえって伝わりにくくなることもあります。
本記事では、起承転結の基本からビジネスシーン別の具体的な例文、さらには適切な活用ポイントまでをわかりやすく解説します。
プレゼンや報告、提案書など、さまざまな場面で使える構成のコツを知りたい方はぜひ参考にしてください。
起承転結とは?
「起承転結(きしょうてんけつ)」とは、物事を4つの段階に分けて構成する方法です。
段階 | 役割 |
---|---|
起 | 話の前提や背景を説明する |
承 | 起の内容を受けて、話を発展させる |
転 | 大きな展開・本題を示す |
結 | 話の締めくくり・結論を述べる |
もともとは中国の漢詩「絶句」から生まれたもので、「起句」「承句」「転句」「結句」という4句で構成されていました。
現代の日本では、文章や話の構成手法として広く活用され、特にストーリー性を持たせたいときに有効です。
起承転結をビジネスで使う注意点
ビジネスシーン起承転結を使用する場合は以下の点に注意しましょう。
- 結論が遅くなる
- まわりくどい印象を与える
ビジネスでは、限られた時間の中で要点を端的に伝えることが求められます。
そのため、起承転結をそのまま使うと、何が言いたいのか相手にストレスを与えてしまう可能性に気をつけなければいけません。
そこで以下のポイントを意識しておきましょう。
【ビジネスシーン別】起承転結の例文6選
社内提案
起:昨今の働き方改革により、当社でもリモートワークが普及しています。
承:しかし、部署間の情報共有が不足し、業務の進行に遅れが生じることもあります。
転:そこで、社内コミュニケーションツール「Slack」の導入を提案いたします。
結:導入により情報共有の効率化が進み、プロジェクトの進行もスムーズになると期待されます。
課題提起から解決策の提示までがスムーズにつながっており、説得力のある構成です。
導入後の効果を具体的に述べているため、上司や決裁者にも納得されやすい提案になります。
プレゼンテーション
起:現在、EC業界ではスピード配送が顧客満足度に直結しています。
承:競合他社の多くは即日配送に対応しており、当社はやや劣勢です。
転:新たに物流センターを設け、都心部への当日配送体制を構築します。
結:これにより、リピート率の向上と新規顧客獲得が見込まれます。
市場動向を背景に問題点を明確化し、施策による改善策を提示しています。
結論部で「数字に結びつく期待効果」を明言することで、説得力を高めています。
報告書の要約
起:〇〇キャンペーンを3月から開始しました。
承:SNS広告との連携により、高いアクセス数を記録しました。
転:特に20代女性の来訪が想定以上で、新規会員登録数が前月比150%となりました。
結:次回キャンペーンもSNS連携を強化することで、さらなる成果が期待できます。
事実の列挙にとどまらず、成果の要因と今後の展望にまで言及しているのがポイントです。
シンプルながら「何が効果的だったか」がわかる構成で、報告の説得力が向上します。
上司への報告
起:今月のSNS広告による流入数は、先月比で20%増加しました。
承:ただし、購入率は前月と大きな変化がなく、伸び悩んでいます。
転:そこで、LP(ランディングページ)のデザインと文言の改善を行いました。
結:その結果、直帰率が下がり、週後半には購入率が5%改善しています。
上司への報告では、まず成果や数字から切り出すことで聞き手の関心を引くのが有効です。
「課題 → 対応策 → 結果」という流れを起承転結で整理することで、論理的かつ簡潔に現状報告ができます。
クライアントへの改善提案
起:現行のECサイトでは、離脱率が高い傾向が見られます。
承:特にスマホからのアクセス時に、購入完了までのステップ数が多いことが原因と考えられます。
転:スマホ向けUIの見直しと、購入フローの簡略化を提案します。
結:改善により、CVR(コンバージョン率)の向上が期待できます。
課題を数値で表すことで、クライアントにとっての「重要度」が明確になります。
提案内容が具体的かつ改善後の効果も明示しているため、導入の判断材料になります。
人事評価面談資料
起:今期は営業部全体の売上が前年比120%と好調でした。
承:その中でも、Aさんは新規顧客獲得数が社内最多という成果を上げました。
転:さらに、自主的に後輩育成にも取り組み、チーム力向上に貢献しています。
結:よって、来期は主任職としてさらなる成長を期待しています。
事実と成果に基づいた評価に加えて、今後の期待値まで言及している点が評価材料になります。
「個人の実績」だけでなく「チームへの貢献」も盛り込むことで、総合的な評価が伝わります。
ビジネスにおける起承転結以外の方法
PREP法(プレップ法)
P(Point):結論
R(Reason):理由
E(Example):事例・具体例
P(Point):もう一度結論
プレゼンや報告書や会話などで「結論を先に伝えたい」時に有効な手法です。
序破急
序:導入
破:展開
急:急展開・結末
物語性を重視しながらも、スピード感を持って展開したい場合に適しています。印象に残るプレゼンに活用されます。
5W1H・5W2H
When(いつ)
Where(どこで)
Who(誰が)
What(何を)
Why(なぜ)
How(どうやって)
How much(いくらで)←5W2Hにのみ含まれる
まとめ:起承転結もビジネスに活かせる
起承転結は、物語のように流れのある構成を必要とするプレゼンテーションや企画提案に適した手法です。
一方で、報告書や商談といった即時性・明快さが求められるシーンでは、PREP法や5W1Hのような構成が有効です。
シーンや目的に応じて構成方法を使い分けることで、説得力と分かりやすさを両立させたビジネスコミュニケーションが実現できます。