クレーム対応のメールで落ち度がない例文 | 書き方や注意点を解説

クレーム対応のメールを書くとき、自社に落ち度がないケースでは「どう伝えるべきか」で悩む方も多いのではないでしょうか。
「謝罪すべきなのか」
「それとも毅然と対応すべきなのか」
本記事では、落ち度がない場合でも誠意を伝え、相手に納得してもらえるメールの書き方と具体的な例文をご紹介します。
クレーム対応のメールで落ち度がない場合の基本ポイント
クレーム対応のメールで落ち度がない場合のメールで、意識するといいポイントは以下の3つです。
- 相手の不快な気持ちに寄り添い、配慮を示す
- 謝罪ではなくクッション言葉を使い、丁寧に説明する
- 客観的な事実を添えて、納得感を与える
この3点を意識することで、落ち度がない場合でも誠意をもって対応できるメール文面を作成できます。
ポイント①寄り添う姿勢
大切なのは、相手の不快な気持ちにしっかりと寄り添う姿勢です。
自社に非がない場合でも、相手が不満や不快感を抱いた事実は軽視せず、配慮を示すことが信頼関係の維持につながります。
非を認める必要はなくとも、気持ちを汲み取った表現を入れるだけで印象は大きく変わります。
ポイント②丁寧に説明する姿勢
自社に落ち度がなくても、謝罪の言葉を避けて突き放すのではなく、丁寧に説明する姿勢を持つことが重要です。
過失がないことを冷たく伝えてしまうと、相手に強い不信感を与える可能性があります。
そのため「ご不便をおかけしました」「お気づきいただきありがとうございます」といったクッション言葉を活用し、柔らかく説明を補うことが効果的です。
ポイント③感情的にならない姿勢
感情的なやり取りを避け、客観的な事実を添えて伝えることも欠かせません。
経緯や状況をわかりやすく整理して伝えることで、相手に納得感を与えることができます。
クレーム対応のメールで落ち度がない場合の例文
自社に過失がない状況でのクレーム対応は、最も書き方に悩む場面です。
謝罪しすぎると不要な責任を負う可能性があり、逆に突き放した文面だと顧客の感情を逆なでしてしまいます。
以下では、状況別にすぐ使える例文を紹介します。
実際の場面を想定した文面を参考にすることで、スムーズに対応できるようになります。
商品やサービスに落ち度がない場合
このたびは弊社商品についてご意見をいただき、誠にありがとうございます。
ご指摘いただいた件につきまして確認いたしましたが、製品には規格通りの品質が保たれておりました。
ご不便をおかけしたことにつきましては大変心苦しく存じます。
今後も安心してご利用いただけるよう、引き続き品質管理を徹底してまいります。

非は認めていませんが、「心苦しく存じます」という表現で配慮を示しています。
品質管理への姿勢を伝えることで、信頼を維持できます。
納期や配送に落ち度がない場合
このたびは商品到着に関しご不安をおかけし、誠に申し訳ございません。
配送記録を確認いたしましたところ、予定通り発送および配送が行われていることを確認しております。
今後も安心してご利用いただけますよう、配送状況をより分かりやすくご案内できる体制づくりに努めてまいります。

事実を丁寧に伝え、非がないことを明示しつつ、改善の意志を示しています。
スタッフ対応に落ち度がない場合
このたびは弊社スタッフの対応についてご意見を賜り、誠にありがとうございます。
担当者へ確認いたしましたところ、規定に沿った対応を行っておりました。
しかしながら、ご期待に添えなかった点につきましては残念に存じます。
今後はより一層お客様の立場に立ったご案内を心がけてまいります。

規定通りで落ち度がないことを伝えながらも、「残念に存じます」と表現することで誠意を示しています。
お客様の誤解や勘違いによるクレーム
このたびはお問い合わせいただきありがとうございます。
ご指摘の件につきましては、○○ページにて記載のとおり、△△という仕様となっております。
ご説明が行き届かず、ご不便をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
今後はより分かりやすい表記に改善してまいります。

お客様の勘違いが原因でも、「ご説明が行き届かず」と表現することで、相手を責めずに誠意を見せています。
クレーム対応のメールで落ち度がない場合に使える表現リスト
落ち度がない状況でクレーム対応をする際には、謝罪ではなく配慮や感謝を伝える表現が効果的です。具体的には以下のようなフレーズが使えます。
- 「ご不便をおかけし、心苦しく存じます」
- 「お気づきいただきありがとうございます」
- 「ご不安を抱かせてしまい申し訳ございません」
- 「規定に沿った対応ではございますが、ご満足いただけず残念に存じます」
- 「今後の改善に役立ててまいります」
これらの表現を状況に応じて使い分けることで、落ち度を認めずとも誠意を伝えることができます。
特に「お気づきいただきありがとうございます」といった感謝の言葉を添えると、相手の指摘を前向きに受け止めている印象を与えられます。
クレーム対応のメールで落ち度がない場合に注意すべき点
クレーム対応で最も避けるべきなのは、感情的な文言を使うことです。
注意点をまとめると次の通りです。
特に「当社には非はありません」といった強い否定は、相手を突き放すように受け取られかねません。
冷静かつ丁寧に、相手が納得できる説明を心がけましょう。
また、冷たい印象を与えないよう注意することも必要です。
事実だけを並べるのではなく、「ご不安をおかけして申し訳ございません」といった気遣いの一文を添えると、相手の感情を和らげられます。
さらに、説明が曖昧だと誤解を招く可能性があります。
配送記録や規定内容といった客観的な情報を根拠に提示すれば、納得感を高めつつ信頼を得ることができます。
まとめ
落ち度がない場合でも、誠意ある姿勢を示すことがクレーム対応の基本です。
相手の不満や不安を軽視せず、適切なクッション言葉や説明を取り入れることで、良好な関係を維持できます。
また、紹介した例文をそのまま使うのではなく、自社の状況に合わせて柔軟にカスタマイズすることが効果的です。
相手や事案ごとに適切な言葉を選び、実際の業務に落とし込むことで対応力が高まります。
さらに、こうした文例をテンプレート化し社内で共有すれば、誰が対応しても一定の品質を保つことが可能です。
効率的で一貫性のある対応は顧客満足度の向上にもつながります。